第183回「やすらぎ修行会」プチ法話 2026/8/21
戦時の捕虜収容所では、レンガを運ばせ、運び終わったらまた元の場所に戻させるという、非人間的な労働が行われていたと聞いた記憶があります。「意味」の無い行為を延々と繰り返させられると心も身も疲弊し壊れてしまうのです。 「とあるレンガ職人の話」。ある人が「何をしているのですか」と職人さんに尋ねると、「レンガを積んでいるのだが、大変なのでこりごりだ」と答えました。別の人に同じ質問をすると、「私は城を作るためにレンガを運んでいるのです」と言いました。さらに別の人に尋ねると「私は、城作りとは街作りだと考えているのです」と返答しました。その後、また別の人に尋ねると「城作りは街作りであり、この町の歴史を作ることでもあると思っています」と述べました。 仕事を作業としてしか認識していない人、仕事の総体は見えている人、仕事の展望や可能性を見渡している人。同じような行為をしていてもそれぞれ認識は異なります。行為にどのような「意味」を与えるかによって、自らを輝かせることもできる。自らを取り巻く、人や物や出来事から豊かな物語を紡ぎ続けることにより、「生きる力」が醸成されていくのでしょう。 仏教では「縁起」を説きます。縁が結ばれ、今たまたまここにこうしてある。不変なる実体などありません。どのような「意味」を与えるかはあなた次第。生き生きと過ごせるよう自らを俯瞰的に見れる視点を意識しましょう。