2025(令和7)年「やすらぎ修行会」プチ法話 第166回
第166回「やすらぎ修行会」プチ法話 2025/3/21
早朝、近くの公園には、ラジオ体操をするため大勢の方が集まっています。掃除をしている方、筋トレに励んでいる方、おしゃべりしている方、それぞれが朝のひと時を思い思いに過ごしています。体操開始。軽快なリズムにのって体を動かしますが、中には、手を動かしているだけで、体を反ることも、腕を伸ばすこともされていない方が散見されます。これって果たして意味があるのか?
母がベットの上で暮らす生活になり半年以上。今は、週に一度ずつ、理学療法士、言語聴覚士の方が訪れてくれます。体を動かさない暮らしは筋肉が固まってしまう。グーパーや、肩や膝を曲げたり伸ばしたり。「痛い」という時もありますが、だいぶ曲がるようになりました。
言語聴覚士の方は、「ぱたぱたぱた」「たからたからたから」「ぱたからぱたからぱたから」と発声の訓練、そして歌をうたったり…。以前は口をすすいだ後、水をゴクンと飲んでしまいましたが、今は勢いよくペッと吐き出すことができるようになりました。声を出すことで喉の筋肉が鍛えられるのです。
それと「巻き爪」が痛いとも。巻き爪となる原因の一つに「歩かない」ことがあるそう。歩いていると体重がかかり爪が平らになるのだとか。歩かないと爪の本来のカタチに育っていき「巻き爪」に。
ご飯を食べて、出掛けて、おしゃべりを楽しむ。このごく当たり前の日々の振る舞いが、生命を維持していくためのシステムを支えている。私たちの体とは、実に精妙なるメカニズムによって成り立っているのですね。
公園に行って、ラジオ体操をし、おしゃべりを楽しむ、それこそ大切なこと。「意味があるのか?」なんて思ってしまい、たいへん失礼をいたしました。