2025(令和7)年「やすらぎ修行会」プチ法話 第169回

 第169回「やすらぎ修行会」プチ法話 2025/6/21

 数年前のこと、体調が悪いと寝ていた母に呼ばれると、「お腹がはれている」ので見てほしい、とのこと。寝間着をめくると、不自然なほど下腹が膨らんでいます。驚いて救急に問い合わせると「腹水がたまっているのでしょうが、救急車を呼ぶほどでもない」との回答がありました。

 翌日、かかりつけ医に連れて行くと、開口一番看護師さんに「どうしてもっと早く連れてこないの!」と怒られました。帰宅してよくよく思い返せば、なんと数ヶ月前には診療を受けていたのです。

 半年ほど前、いよいよ、在宅介護が始まろうという時、我が家に医療スタッフが集まり今後の対応を協議して下さいました。お医者さん、訪問看護師さん、ケアマネさん、言語療法士さん、リハビリの方など総勢8名。皆さん、対等に議論を重ねている姿が印象的でした。最後に担当医から一言、「これからみんなで福田さんを支えていくんですよ」と。とても心強く、涙が出そうになりました。

 在宅介護がスタートしましたが、いろいろなミスもあります。何度か毎日9時の点滴交換をうっかり忘れてしまいました。チューブに空気が入ると看護師さんの手を煩わさねばなりません。不思議と日曜日が多い。電話をすると一時間後に、当番の看護師さんがご自宅から駆けつけてくれました。

申し訳なく沈んでいると、明るくからっとした声で、「気にしないで下さい。完璧な人なんていませんから。手助けするのが私たちの役割ですから」と。

 困ったとき隣にいてくれる。顔を見るとホッと安心する。ありがたさをしみじみ感じる日々なのです。

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